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継続は力なり

2014/11/02
当院は今月で開業12年目を迎えます。
開業当初より一貫して「予防獣医学」の重要性を飼い主さんへ啓蒙してきました。地域柄あまり予防という概念がなく、病気になって病院へ行くということがあたりまえでした。したがって、多くの人が犬の寿命は7~8歳でフィラリアで死んでいくというものでした。しかし、啓蒙の効果もあり病院へ来院していただく飼い主さんの多くがワクチンやフィラリア予防などに取り組んでいただけるようになりました。
当院は大動物(牛や豚などの家畜)の診療も行っています。「予防獣医学」の結果が本当に見えているのが大動物の領域です。多頭飼育が多い家畜ですので、予防への先行投資は一時的に経営に大きな負担を与えます。「治療主体から予防」への1~2年の移行期は治療費と予防経費が2重にかかるため、移行前には畜主さんと十分話し合い信頼関係を築くことが最も重要になってきます。予防主体に変換した農家さんの経営は格段に向上します。ただ、予防により病気が圧倒的に減りますので、病気を追いかけるスタイルの獣医さんより収入が減ります。これが”難点”です。
ペットも家畜も病気にならずに予防にお金をかけるという考え方を今後も粘り強く啓蒙し続けていきたいともいます。

美容室後の目の異常

2014/10/16
室内犬は美容室でカットやシャンプーをすることが多いと思います。
美容室に行ったその日や翌日に「涙が多い」、「目が充血している」と言う稟告で来院するワンちゃんがいます。飼い主さんは、カットやシャンプーの際に被毛やシャンプーが目に入って目の異常が起きていると考える方が多いようです。
しかし、実際には異物が目に入ったわけではなく緊張により涙の産生が抑制されて角膜が乾燥した状態になっているのです。このような症状のワンちゃんは、ほぼ毎回美容室に行った後に同じ症状が起こります。飼い主さんへはこのようなことが理由であることをしっかり説明してあげないと美容院との関係が悪化してしまいます。
当院ではこのようなワンちゃんには美容室に行った日から数日点眼をお願いしております。これによって毎回目の異常を訴えていたワンちゃんも異常なく生活することができます。

薬の投薬は指示通りに!

2014/09/23
病院での治療は自宅で内服剤を飲ませていただいたり、外用薬を塗ったり、シャンプーしたり点眼・耳したりと多岐にわたります。
必ず主治医から用法・容量、薬剤等の保管方法などが指示されます。
しかし、これらの指示が案外守られていないことがあります。再診時に「○○はなくなった頃ですよね」と伺うと「まだあります」「飲ませ忘れがありました」「見た目に良くなったから止めました」と言う答えが返ってくることがあります。
私たち獣医師は必要とみなして処方しますので「用法・容量」は必ず守ってもらい、仮に症状が改善しても勝手にやめないようにしましょう!

出身大学のつながり

2014/09/04
先月、酪農学園大学の九州地区の同窓会が福岡県で行われました。各県からたくさんの方が来れれていました。獣医学科だけではなく、すべての学科、短期大学、附属高校などのすべての卒業生が対象です。年配の先輩方の参加が圧倒的に多いので、中年の私はその中では若者扱いです。学科を超えての交わりですので非常に人脈形成に役立ちます。次回は宮崎県での開催ですので少しでも多くの皆さんに参加していただき楽しんでいただけるようにしっかり準備したいと思います。
色々な分野で活躍されている方が多く大変勉強になりました。

ウサギの診療あれこれ

2014/06/23
当院では犬や猫の一般的なペットに加えエキゾチックアニマルの診療も行っています。
その中でも多いのが「ウサギ」です。
当たり前ですが「ウサギ」は犬でもなく猫でもありません。しかし、動物病院で犬や猫と同じように診療を受けて症状が重症化したり、予防的に行った行為で重篤な副作用をに至るケースにたびたび遭遇します。私もエキゾチックを診療しますがわからない動物や自信のない動物に関しては診察しません。これは自分の病院に重症化してやってくる動物を日々目にするからです。だれも診察できずにオーナーさんも承諾して一か八かの治療することはあるかもしれません。
今日も犬猫用のダニ駆除剤を塗布されたウサギがやってきました。かなりの重症です。ウサギをよく診ている獣医師ではあたりまえに使ってはいけない薬剤が使用されていました。治療経過を見るしかありません。

特殊な動物(ウサギも含む)を飼育したい場合は、飼育前にその動物を診療できるしっかりした獣医さんを見つけてからにしましょう!